美しきトスカーナから!イタリア語も!美味しさも!楽しさも!

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サフラン物語(第2話) 

サフラン032

サフラン物語を第1話から読む

「Madre domani parto per Florentia. Non cercare di fermarmi. <母上、明日、僕はフロレンティアに出発するんだ。僕を止めないでくれ。>」
とプリモはぶっきら棒な強い口調で言った。
遊んでいた子供たちもみんなそれを聞いて黙った。
部屋の中は一瞬で静まり返り、私の背筋には電撃が走ったかのように身動きすらできなくなり、鳥肌が立った。
13才の長男のプリモの顔だけをじっと見つめた。

私の旦那である彼の父上は15才で結婚したが、今のプリモはその父上に比べてとても幼く見える。
自分を犠牲にするほどの根気強さもないのに、よくも、見知らぬ世界に行くなんて・・・。
私も思わず、大声を出した。
「No! No! No! Noooo―!!! <行ってはならない!絶対にダメーッ!>」
私の叫びにみんな驚いた。

声を静めてからこう言った。
「あのね、プリモ。よーく聞いておくれ。

何年か前に始まったけれど、急に気候が変わったのだ。

雨が多くなって、その雨のせいで夏が涼しくなったのだ。

それで、いろいろな国々(今のイタリアの各州各県、欧州の北の国々)は雨のせいで、麦は急に採れなくなったのだ。

(1290年から1350年にかけて、徐々に気候が寒くなり、小氷河期時代を迎えていた。)

農民たちは、みんな食べ物が不足し、凶作が続いたため、農民を含めた田舎の人々は、街に逃げ込んだのだ。
食べ物と仕事を探さなければならなかったの。

しかし、街は既に人々で一杯。田舎の人たちを受け入れる余裕なんかは無い。

それで、放浪者が溢れだして、道や橋の下で寝るしかなかったんだ。

お前が行きたがっているフロレンティアも、そしてローマもミラノもヴェネティアでも、人々は道端のあちこちで死んでいるのだ。

なぜなら、家も無く、まともな栄養も取れず、悪臭のするゴミの山の中で、恐ろしい病気にかかっているそうだ。

その病名の言葉を聞いただけで、ゾッとし震える。

それは、黒いペスト(peste nera)。

人々は次々と死んでいく。道端に倒れ重なるようにバタバタと死んでいると聞いた。

(黒いペストとは、別名で黒い死、伊語はMorte nera、又は、大きな死、伊語ではGrande morteとも呼ばれており、1347年から1353年にかけて、非常に感染力の高い伝染病が猛威を振るい、全ヨーロッパの人口の3分の1が犠牲となった。病原菌発生のメカニズムは、小氷河期時代の到来で凶作が続き、食物不足となり、経済が落ち込み大不景気が40年も続く状況の中で、田舎の大勢の人々が街に逃げた。中世時代ど真ん中の街の様子は、まだ下水道が整備されておらず、人々は、街の至る所をトイレ代わりにしていたことやゴミ回収なども無かったことで人々は窓からゴミを捨てることが当たり前となっていた。そこに、田舎から大勢の農民が逃げてきたことで、もちろん、彼らの居住スペースがある訳ではなく、路上生活を強いられ、以前にも増して街中が糞尿やゴミの山と化した。それで、ネズミが大量発生し、ネズミの蚤を媒体として黒いペストがネズミから人々に感染したのである。)

プリモは、私の話を聞いて、葛藤している様子だった。
それを見て、私は話を続けた。
「もう少し待って、様子を見た方がいいよ。
4月になった今、季節も良くなり、もう少し待てば、きっといつもの夏に戻るから。
私たちの村は、食べ物もあるし、街と離れているから、黒いペストはやって来ないし外から敵が襲ってくることも無く、守られているんだよ。(イタリアの中世時代は、村と村の争い、又、外国人や山賊による追い討ち等が多かったので、ほとんどの村には城壁を作り、門番の見張り役を置いていた。)」

プリモは、私の言葉を聞いて、暫くしてから頷いた。

私は、朝7時の鐘で目が覚めた。
今日は日曜日なので、伯爵の家でのお仕事もお休みである。
家族みんなで教会のミサに行き、1週間後に迫る復活祭の準備が始まろうとしていた。
太陽が出て、雪もどんどん解け始め、皆が何か嬉しい気持ちになってる時、
突然、村の塔の上から、よほどのことが無ければ鳴らない角笛(Corno)の耳をつんざくような長~い音が鳴り響いた。

私も、旦那も、子供たちも、驚いて、皆と同じように一斉に広場に駈け出した。
すると、塔の高いところから、大きな声で見張り役が叫んだ。
「Uomini a cavallo si stanno dirigendo verso il nostro paese! <馬に乗った人々が私たちの村に向かって登ってきてるぞーっ!>」

村の人々は、お互いに心配そうな顔で、山賊が穀物を奪いに来たのか、黒いペストを持って来たのか、ザワザワとしきりに言葉を交わすのだった。

すると、伯爵は、3人の家来に、馬で行って、こちらに向かってくる一行に用件を聞くように命じた。
門が直ぐに開かれ、家来たちは馬に跨ると矢のように一直線に飛び出した。

門が閉じられても広場にいる人々の不安と緊張は続く。
行った3人の男が殺されれば、やはり敵が襲ってきているのだ。

暫くして、塔から外の様子を見ていた見張り役が声を出した。
「I nostri uomini stanno tornando!! <男たちが戻って来たぞー!!>」

門が再び開かれ、馬に乗った3人が入って来るや否や、村中の皆が3頭の馬を取り囲むように駆け寄ってきて、シーンと静まり返り、大衆は目だけ大きく見開き、馬に跨った男たちが何を言うのかを待った。

(サフラン物語第3話に続く)


ティータイムの一言: 一番上の写真の私のサフランで、サフランハーブティーを作ってみました。
サフランに熱いお湯をかけると、サフランの香りが漂い、それはそれは高貴な気分になると同時に、ブログで緊張の場面を書いたので、なおさら一気にリラックスしました。
そして、格別な美味しさでした。
どうぞ、皆さんも召し上がってみてはいかがですか?
saffrontea1
作り方はとても簡単なので、どなたでもすぐにできます。レシピを見る(←クリック)



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