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サフラン物語(第4話) 

サントゥッチ神父は以前から思っていた。
このままでは、麦とファーロしか採れないナベッリ市は貧困状態が続き、人々も村を捨てて出ていくばかりなので過疎化地帯になるに違いない。既に、大勢の若者が出て行ったまま戻らないので、村の将来も危ぶまれている。
今回のように、サントゥッチ神父が異端宗派の人々を罰するためにスペイン国王に会いに行ったのは過去にも何回かあった。
何度かスペインを訪れたサントゥッチ神父は、スペインがヨーロッパ市場に独占的に農産物を輸出し国が繁栄していることに気づいたのである。
その農産物とは「サフラン」であった。

サフランは、いつの間にかヨーロッパで知られるようになった。
サフランが数多くの病気を治すと言われていたし、食べ物に利用すればとっても鮮やかで美味しく、王様や貴族たちの食事には欠かせないものとなっていた。
また、生地染めとしても鮮やかな黄色の染料として利用されるようになった。
この時代から、サフランは「黄金の花」、「黄金のスパイス」と呼ばれていたのである。

サントゥッチ神父は、どうしてもこのサフランを手に入れなければならないと夜も眠れないほどに考えていた。
サフランさえあれば、ナベッリ市を知らないものがいないくらいに知名度も上がるし、村が繁栄するのだ。
しかし、大きな問題がある。サフランはスペインが独占権を主張している農作物であり、スペイン以外の国に譲ることは有りえないので、スペイン国王にサフランの球根を買いたいと言ったとしても笑われるのが見えている。
なので、どのようにして、サフランをナベッリ市に持っていこうかと日夜悩んでいたのである。
悩みはこれだけではない。
スペインは、アフリカに近いことで気候が温暖であり、雨がほとんど降らない。
サフランは雨を嫌うし、また、寒さをも嫌うので、スペインはサフランにとっては好環境なのだ。
苦労して持って行けたとしても、標高760mのナベッリ市は、秋には大雨が降り、冬は豪雪地帯で、寒い時には樹氷が出来るくらいに気温が下がるので、サフランの球根は土の中で腐るか氷るかで死んでしまうに違いない。
でも、自分は植物の研究者でもあるので、植物を育てる環境対策などは何とでもなることを知っていたし、まずは、サフランの球根をどのようにして手に入れるかだけを集中して考えることにした。


広場にいた大衆は、サントゥッチ神父に歓迎の拍手を贈った後、皆それぞれの家に帰った。
皆それぞれ考えていることは同じだと思うが、結局、あの宝石箱の中身は大衆の誰の目にも触れることなく王様や貴族たちに渡ってしまうのだろうと思った。

ちょうどお昼ご飯を食べ終えた頃、突然、教会の鐘が鳴らされた。いつもの礼拝の始まる時に鳴らされる鐘がこんな時間に鳴らされ、且つ、角笛もほぼ同時に聞こえてきたので、何事が起きたのかとみんなは不思議そうな顔をしながら足早に広場に集まって来た。

教会の門が開かれて、集まった大衆は中に入るようにと指示された。
私も家族もみんなで教会に入ると、祭壇に立って待っていたのは、伯爵とサントゥッチ神父だった。
伯爵とサントゥッチ神父の間には、あの宝石箱が置かれていた。
やっと、宝石箱の中身の謎が解けるかもしれないし、もしかしたら、宝石箱に入っている宝石が配られるのではないかと思い、大衆は押すな押すなと祭壇に向かって詰め寄るばかり。

伯爵は、声高らかに話し始めた。
「Oggi e’ un giorno molto importante per la nostra Navelli. <今日は私たちのナベッリ市にとって大変重要な日である。>」
一呼吸おいて伯爵は話を続けた。
「サントゥッチ神父のおかげで、私たちの村は、今から栄えていくことになるのだ! 私は夢を見た。 私が王様の右の座に座り、大衆は自由な人間になったと言う夢だった。皆がこれから、次の世代も、そして、また、次の世代も、永遠に幸せが受け継がれることになる夢だ。」

伯爵の言葉を聞いた大衆の中には、感激して涙を流す者もいた。
私は隣に座っている長男のプリモの顔を見た。
口を開けたまま、伯爵の言葉を聞いていたプリモが、もしかしたら、家を出ることを考え直してくれるかも知れないと期待した。

伯爵は話を続けた。
「サントゥッチ神父は大変なリスクを背負って、スペインから私たちのナベッリ市に、世界中が要求している高級で貴重なものを持って来て下さったのだ。」

伯爵は、家来に、宝石箱を開けるように命じた。
大衆の目は、教会の中の蝋燭の灯火の動きで煌びやかに眩しく輝いている宝石箱に集中した。
鍵を開け、蓋をゆっくりと開けた。
皆は、息をするのも忘れるくらいに宝石箱を見つめていた。もし、中身の宝石が大衆に向かって投げられたら皆よりも多くの宝石を奪い取ってやるぞと言わんばかり。

伯爵は宝石箱の中に両手を入れた。

両手を宝石箱からゆっくりと出すと、掴まれていたのは・・・・なんと、ジャガイモだった。

サフラン物語第5話に続く)

サフラン物語の第4話を書いている途中の午後のコーヒータイムに、リッチなサフランコーヒーを飲んでみました。
サフランコーヒーは、集中力を高めると言われているので、物語を創造しながらの執筆時には持って来いの飲み物です。
集中力を持続させるとともにストレスをも取り除いてくれるので、夜遅くまでお仕事をされる方や受験勉強の学生さんにもお勧めします。
saffron_caffe

格別な香りが漂うサフランコーヒー! とっても美味しかった! 作り方は「フィオレンツァ サフラン農園」のサイトのレシピに掲載しましたのでご覧くださいね。


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