美しきトスカーナから!イタリア語も!美味しさも!楽しさも!

イタリア・トスカーナから美しきトスカーナ情報やイタリア語会話レッスン、イタリア料理レシピ等、イタリアに関する様々な報情をお届けします。

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新天地イタリアへpart3 

幸次記

イタリアに向かう飛行機の中で、スチュワーデスが窓のブラインドを閉じると、機内が暗くなり乗客が休めるようになった。寝ている人もいれば、スポットライトで本を読む人や座席に設置された個別のモニターで映画を楽しむ人もいた。僕は機内で感じる気圧の騒音や揺れに包まれ目を閉じてウトウトしていた。利多は隣にいるフィオレンツァの膝枕で寝ている。利多の足がちょうど僕の膝のところにあった。この2、3か月は、イタリアに向かう準備に追われ、連続的に、いろいろな手続きなどに走り回っていたので、ゆっくり休んで考える時間がなかった。ただ、1回だけ瞬間的に僕の新しい姿を実感した。それは、ある手続きでデータを記入するときに、職業の欄に「無職」と記入した時だった。僕が無職だなんて・・・今まで無職と聞くと他人事のようで、まさか自分が無職になるなんて想像もしていなかった。

僕が就職した1970年代後半は、オイルショックで石油関連製品の買い占めが横行しスーパーからトイレットペーパーが消えた年でもあり、父が経営する米沢織物工場も破たん寸前となっていた。
オイルショックにより各企業も採用人数を減らすなど就職難と言われた時だったが、父は今後成長する企業の「ソニー」に目を付けた。
宮城県多賀城市にあるソニー工場では、オーディオカセットテープやβ方式のビデオテープを世界に先駆けて生産し始めた時期でもあり、「世界のソニー」、「ソニー神話」に向けて動き出そうとしていた時代であった。

すでに、ソニーに就職する門は狭くなっていたが、300人が応募する中、50人の合格者の中に入ることができ、両親や親せきが大喜びした時の画像が、「無職」と書いた瞬間に頭の中で走馬灯のように流れた。

当時は、大手企業に入社できれば、後はレールに乗って終点までたどり着けると言う保証のようなものがまだあっただけに入社試験も難しかったが、内定の通知をもらった時は最高にうれしかったことを覚えている。

自由闊達を思想にしていたソニーに入社できたことは、グローバル的な様々なチャンスや可能性があったし、そういう意味では僕は恵まれていた。
製造を技術支援する部隊に配属され、多能工専門技術者として第一線で活躍するようになり、1980年代には、飛ぶ鳥をも落とすと言われたソニーの邁進力を支えるプロジェクトメンバーに抜擢されると海外工場立ち上げラッシュの波に乗って、フランスやイタリアなどの欧州工場立ち上げに参加することができた。

初めて海外へ行ったのはフランス。フランス出張を通して、憧れのヨーロッパでの仕事や生活には、日本とはちょっと違った自由があった。それは、日本では当たり前なので意識もしていなかったことだが、個人は会社の組織の中に完全に組み込まれていることや、個人が、義理人情、先輩後輩、コミュニティ(例えば町内会)などの関係に支配されている社会の日本に対し、フランスでは、個人が様々な組織の中にあっても、組織に支配されず、個人の意思が尊重されていることは僕にとってとても新鮮なことだったし、義理人情もなければ先輩後輩の関係なども全くないことが、より自由さを感じさせてくれたのであろう。
その時に一瞬思った。このヨーロッパに暮らせればなんて素晴らしいことか・・・
何年か後に、素直に思ったこのことが実現するとは想像もしていなかった。

(続く)


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テーマ: エッセイ

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コメント

こんにちは。
ご無沙汰しております。
私は昨年、フィレンツェ、シェナ、サンジャミーノに行きましたが、トスカーナの美しい街と風景に魅了されました。
またトスカーナに行きたいと思っていますが、次の機会にはアッシジにも行きたい思っています。

東京ではラファエロ展が開催されていてに行ってきました。
ブログにラファエロの美術の変遷を見つめながら東京のラファエロ展について書いてみました。
よろしかったら、ぜひ一読してみてください。
ご感想、ご意見などどんなことでも結構ですから、ブログにコメントなどをいただけると感謝致します。

dezire #kggcSFg2 | URL | 2013.04.02 15:01  edit

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