美しきトスカーナから!イタリア語も!美味しさも!楽しさも!

イタリア・トスカーナから美しきトスカーナ情報やイタリア語会話レッスン、イタリア料理レシピ等、イタリアに関する様々な報情をお届けします。

07 «1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 09

第二章 最後の地「高山」part1 

(初めから、私のエッセイ「マイ セカンド ライフ」を読む)

フィオレンツァ記

この世で、この人生の中で高山を知った者は、生涯を通して、どんなに遠くに離れてしまったとしても、例えこの世の果てに行ったとしても、必ず戻りたくなる場所である。
私もその一人だ。
この高山への情熱を見た地元の人たちは、首をかしげて不思議そうに思う。

旦那とすごく笑ったことがあった。
それは、近所の村に住む奥さんが神棚に捧げるための榊(さかき)の枝を高山に取りに来た時に、その時、高山の敷地内での唯一の居住者であった私に榊の枝をとっても良いかどうかを尋ねたのである。
「はい、どうぞ。よろしいですよ。」と答える私に、彼女は驚きの大きなまん丸い目をして、親しそうに「ここ、住んでんの?」と聞き、私は自然に「はい、そうです。」と言った。
すると、彼女は、不思議そうにまた聞いた。「旦那さんは?」
私は「いますよ。多賀城のソニーに勤めてます。」と言ったら、
彼女は、「え~~!奥さ~ん、ソニーさんがこんなとこ 住ませてんの~!」と言いながら目が飛び出しそうになるほど大きな目をして、玄関口から家の中を首を回してジロジロ見始めた。
私は、彼女の視線を追って、私も家の中を見た。
私が東京も含めて、今まで住んだ中で一番素晴らしいと思ったところなのに、日本人にはとんでもない場所に見えたのだろう。
それは、きっと、日本人には高山の魔法が通じないし見えないからだろう。

幸次が会社から戻ると、近所の奥さんに言われたことを伝えたら、給料の高いソニーマンが貧しそうなボロ家に住ませているのを不思議そうに思われたり、ケチでこんな家に住ませていると思われているんだなぁという話になって、二人で大笑いしたのだった。

実は、高山に出会う前、イタリアに帰る決心をしていた私が日本にとどまった理由は高山の存在があったからで、イタリア行きを取りやめてまでも私がこの高山に住むことを強く求めたのだった。
「その代り、ここから出ていかなければならなくなったら、私は日本のどんな場所をも探さないぞ!イタリアに直ぐ帰るからね。」と言って、日本にとどまっただけでなく、高山を通して新たな自分の魂に出会うことができたし、日本を深く愛することができたのである。
結局、高山が私を180度変えたのでした。

高山は、宮城県の七ヶ浜のサーフィンのメッカ「小豆浜」と呼ばれる白い砂浜のそばのフェンスで囲まれた松の木林の森になっている高台の地域。
この七ヶ浜の海岸沿いの一帯は、特別名勝松島と呼ばれる特別保護地区に指定されている。
初めて訪れる人にとっては他の場所とはちょっと違った雰囲気なので、まるで初恋の人との出会いで相手はどんな人だろうと期待するような魅力を感じる所だ。
初めてこの七ヶ浜に来た私は、まさにこのような気持ちだった。

「七ヶ浜に外国人村があるよ」と幸次がつぶやいたことに、驚いたと同時に物凄い興味を持った。
あちこち日本を周った私でも外国人村というものを聞いたのは初めてだ。
私は、直ぐに「行きたい」と言ったら、幸次は「かなり前だけど、地元の人が小豆浜の近くに外国人村があるよって教えてくれたこと覚えてたんだ」と言いながら、七ヶ浜に向かってすぐに出かけた。
初めて見る七ヶ浜の海岸沿いを車で通りながら、松の木林や砂浜を見て、そして岸壁に力強くぶつかる波を見て、まだ見ぬ外国人村に対する思いが次第に募っていくのだった。

5月中旬の今、表浜に車を置いて砂浜を歩いてみると海は穏やかで太陽を浴びてキラキラと光っていた。
砂浜には何人か歩いている人がいた。
私たちは海を正面に見ながら歩き、右手の方にある断崖絶壁の高台の真下まで行くと高台の上の松の木林の間から大きな古い木造の2階建ての家が見えた。
岩壁には外海の荒い波がぶつかり波しぶきとなって消えていく。
ここから先は行き止まりなので、海から離れるようにぐるっと目の前の高台を周るように歩きながら幸次が言った。「もしかしたら、この高台一帯が外国人村かもしれない!」

私たちは更に進んでいくと砂利道が高台に登るように続いている。
そして赤い鉄の門が閉まっているところまで行くと、門には立ち入り禁止と書かれた看板があった。
二人で顔を見合わせながら、幸次が「ここが外国人村だ!」と言うので、立ち入り禁止にもかかわらず、門を乗り越えて中に入ってみた。
無断で入ったことで、誰かが来て怒られるのではないかと思い、胸をドキドキさせながら敷地内の小道を進んだ。
小道を挟むように、あちこちに黒塗りの古い木造の家が建っていたが、全て閉じられており、人がいる気配が無い。敷地内は手つかずの大自然の美しさで溢れていた。
海の方に向かって歩くと高台の一番上にたどり着き、真っ青な太平洋を見下ろすように暫く眺めながら心地よさに浸った。
敷地内を散策しながら4つの家に囲まれた芝生にたどり着いた。
草が高い。
草の中に数羽のキジが隠れていたのだろう。私たちが近づいたことで、それらのキジが甲高い鳴き声をあげながら幾つかは走って遠くに逃げ、幾つかは飛んで逃げて行った。
その迫力に二人とも息をのんだ。

芝生の真ん中に立って強く思った。「(ここにずっと居たい)」と。
一瞬のことであっても強く思えば願いが必ず叶えられるのだ。
高山の神が聞いてくれたかのように、5年後、私たちはここに住むことになった。

(続く


田舎暮らし ブログランキングへ


イタリア語 ブログランキングへ
↑貴方のクリックが次の記事への活力源となっています!

にほんブログ村 旅行ブログ ヨーロッパ旅行へ
にほんブログ村 いい記事と思われた方はポチっと応援お願いしますm(_ _)m

私が教えるスカイプイタリア語のサイト「イタリアーノ塾」! 
http://italianojuku.web.fc2.com/

フィオレンツァが『マレンマで一番美味しいサフラン』を送料無料(1g以上)でお届けします!
http://crocusfarm.web.fc2.com/

私のfacebookサイトは、
http://www.facebook.com/fiorenza.marchesi?sk=info&edit=basic#!/fiorenza.marchesi です。

ドイツ(語)のことなら、このブログ。本当に役に立つことばかりが書かれているのでお勧めします!
http://deutschjuku.blog.fc2.com/

「ドイツ語塾」スカイプドイツ語会話は、「スカイプドイツ語」で検索すると、GoogleでもYahooでも検索結果第1位! 初心者から検定試験対策まで楽しくドイツ語を勉強できる。
http://deutschjuku.web.fc2.com/

クリックして応援してください!

FC2ブックマーク
FC2会員の方で、まだブックマークされていない方はどうぞ! 
皆さん、宜しければ、お気に入り(=ブックマーク)に入れてチェックを!


スポンサーサイト

テーマ: エッセイ

ジャンル: 小説・文学

コメント

コメントの投稿

Secret

トラックバック

トラックバックURL
→http://italianojuku.blog135.fc2.com/tb.php/144-7db9a27b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)