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ダビデ 

私は、よく図書館に行きます。どんな新しい本が入荷されたのかが一目で分かるようにと、新図書紹介の本棚があるのですが、それを見て、興味のある本が紹介されていれば借りて読みます。
この本棚には、普通の本屋さんに並んであるような小説などの本はほとんど無く、知識や教養を高めるための政治、経済、社会、移民問題、健康に関する本ばかりが並べられています。

例えば、昨日、行ってみたところ、イタリア語に翻訳された近藤真理恵の「人生がときめく片付けの魔法」が本棚で紹介されていたので借りて読み始めました。

何か月か前に図書館に行ったところ、ある本に惹かれました。
そのタイトルを見ると「Il secondo figlio di Dio」と書かれた、日本語では「神の二番目の子」と言う本です。作者の名前は、シモーネ・クリスティッキ。
(ん!?もしかして、あのシモーネ・クリスティッキか?)
本の裏表紙に書かれている作者紹介を読んでみたら、まさしく、あのシモーネ・クリスティッキでした。
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まず、シモーネ・クリスティッキは、イタリアで毎年開かれるサンレモ音楽祭の2007年のコンクールで最優秀賞に輝いた人です。
彼が歌った歌は、あの時のサンレモの会場で聴いていた観客全員と審査員全員を立ち上がらせて拍手大喝采を受けたほど、皆んなを感動させた歌だったのです。テレビで見ていた視聴者みんなの心にも響いた歌でした。
この歌のタイトルは、Ti regalerò una rosaです。
どうぞ、聴いて下さい。


シモーネ・クリスティッキは、ローマ生まれの43才のアーティスト、俳優、歌手、作曲家、作家でもある多彩なタレントを持った天才的でユニークな存在の持ち主です。
彼のユニークさは、彼自身が言う、「イタリア歴史の悲しみを描く」と言う言葉からも伺えます。
そして、ショーや舞台、歌、小説などを通して、イタリア人が恥ずべき歴史の忘れたい部分にクローズアップし、批判・批評せず、その歴史事実だけを演出表現するアーティストなのです。

さて、イタリア人が恥ずべく忘れたい一つの悲しい歴史とは、精神病院にまつわる話です。
昔、イタリアにも精神病院がありました。精神病院には、もちろん、重度の精神病患者も入っていましたが、ちょっと変な行動をとったり、変わった人と見なされた人々も強制的に収容されていたのです。

一度、精神病院に入ったら、多くの場合、退院できないのが事実でした。その理由は、精神病患者の家族が恥ずかしさのあまり、又は、手におえないと言うことで、精神病院に行って面会することも無く、見放す家族が多くいたからです。
普通ではない行動をとっただけで精神病院に入れられた正常な人々も沢山いました。
そして、彼らは精神病院から出る事無く、精神病院内で人生を全うし、一人孤独に死んでいったのです。

シモーネ・クリスティッキが演出する舞台でのワンシーン
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幸い、1978年に一人の精神学者が強制的に精神病院に入れられる法律を無くすように活動し、イタリア国民に訴え、国民の意思を改革し始めた結果、精神病院側も、再び、全ての患者の症状を確認し始め、正常であると診断された人々を、次々と退院させる現象が起き、イタリア中の精神病院は少しづつ幕を閉じる方向に動いたのでした。

この歌の背景として、シモーネ・クリスティッキは、精神病院に長年入れられて放置された患者たちの悲しみや思いを敏感に感じ取って、イタリア中にある壊れかかった精神病院を回り始めた。
彼は、精神病院で患者達が家族や恋人に宛てた手紙を見つけて大きなショックを受けました。
患者が心を込めて綴った手紙を精神病院側は保管しただけで一通も送られていなかったのでした。精神病院内で、治療の一環を超えるような行為や虐待があったとすれば、それらを隠すためにも外部に情報が漏れないよう意図的に遮断した可能性も伺えます。
シモーネ・クリスティッキは、このような手紙を見つけては彼が出演する舞台で公開することを繰り返し、ある時、ひらめいて、彼は「Ti regalerò una rosa」を作詞作曲したのでした。

この歌は、54年間も精神病院に入れられたニックネームでエルドと呼ばれていたジョバンニ・アリナさんに捧げた歌です。
このエルドは、通行人に小石を投げていただけで精神病院に入れられたのでした。
イタリアの精神病院が幕を閉じた時に、エルドが精神病院から退院し村に戻る際、村の人々は彼の苦しみを労い、村をあげて彼を大歓迎ムードで受け入れ、彼も村に戻れた喜びを「長年の地獄の後、今から正常な生活が送れる!」と言って、その後、村中の人々から愛されながら人生を過ごしたのでした。

Ti regalerò una rosaの歌の動画に出てくる建物は、現在もイタリアにある壊れかかった幾つかの精神病院であり、患者のカルテや顔写真、家族や恋人宛てに綴った手紙などは全て病院の中で見つけたオリジナルです。

私は図書館でこのシモーネ・クリスティッキの本を暫く立ち読みしたのですが、本のタイトルの「神の二番目の子」とは、ダビデと言う人物のことであり、私の知っているあのダビデだったことで私はとっても驚いたのでした。

そして、早速、借りて、230ページを超える分厚い本でしたが、私の一気読みの最短記録にもなったほど速く、3日もかからずに読み終えました。
さて、このダビデとは・・・

(続く)

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